
日本でのAIGLEは1993年に渋谷店からスタートしましたが、
それ以前からフランスAIGLE社では「NELSON」と言う商品名で販売されていました。
その当時の「NELSON」はライディングブーツと同様に雨天時に着用する携帯用コートとして生産されていました。
携帯用のパッカブルコートだったので素材や縫製自体は非常に簡易でしたが、デザイン的に非常にすぐれた商品だったので、日本企画としては通年着られるコートとして素材から縫製に至るまで商品グレードを上げたコートに仕上げています。
「NELSON」に使用されていたのはP.V.C.コーティングを施した光沢感が残るナイロン素材でした。P.V.C.は安価ではありますが透湿性がほとんど無くムレ感があり、コーティング面の寿命も短かった。そこで我々はまず素材として雨の日ではなくても着易いマットな表面感のナイロンをチョイスし、コーティングには耐水圧8000mm、透湿8000gと言う、その当時としては高い水準のコーティングスペックを採用していました。
※ちなみに雨傘の耐水圧は800mm〜1500mmと言われています。
(雨傘の生地にはコーテイングがなされていないのでこの程度です)
このスペックが後のMTD(マイクロテックデベロップメンツ)標準スペックになっています。


特筆すべきデザインとしては裾の内側に取り付けられたフットカバーです。このフットカバーは乗馬時に跨って開く脚を雨から守るため左右の裾インナーに大きくラウンドしたカバーパーツを左右それぞれの脚にマジックテープで装着できる様に設計されています。このパーツがあることで脚への密着度が高くなり、自由に脚を動かすことができます。
更に大きなポイントとしては、背面の裾に施された大きく開くセンターベンツです。大きく開くことで乗馬時に跨りやすくなり、ただ大きく開くのではなく、マチが付けられているので開いた部分から雨の進入を防ぐ役割を果たしています。
乗馬は優雅に見えますが非常に運動量の多いスポーツなので、素材自体に透湿性があってもムレを感じます。そこを少しでも補うために背面にはベンチレーション機能が付けられています。
パターン自体もいたってシンプルで、特徴的なのはセットインやラグランスリーブと違い胸元から切替て袖へと連動することで、直接雨に当たるであろう肩口の切替を無くし、雨の進入要素を無くしています。
※レインウェアの基本はいかに切替部分を少なくするかがポイントになります。
収納ポーチは通常ウィンドブレーカーなどに付いている円柱状の収納袋ではなく、四角く平たい座布団型にバックル付きの平ゴムベルトを付けることで、収納時はウエストに装着でき乗馬時でも邪魔にならない。
こうした一つひとつの要素が乗馬シーンだけではなく自転車やオートバイの乗車時にも活用され、シンプルなデザインがビジネスマンや女性にも支持される要因につながり、毎年素材の見直しや無地だけではなくチェック柄など遊び心を加えながらマイナーチェンジを繰り返すことでブランドの顔とも言えるロングセラー商品となりました。
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