今古今 代表 坂間洋平さん

35歳で出身地の滋賀県から大磯へと移り住み、紆余曲折を経て日本各地の作家の陶器などを扱うアトリエ「今古今」を設立。併設された「日日食堂」では滋味に富んだ定食を提供している。

Instagram @oiso_conccon



ジャケット:エーグル
ライナー:エーグル

―今古今に始めて足を運びましたが、古きよき日本を感じる素敵な空間ですね。

ありがとうございます。ここはもともと電機部品工場だったんですよ。そこを改装してギャラリーにしています。こういう空間でもありますから、古いものが好きそうに見られるんですけど、決してそうではなくて、テクニカルなものも好きなんです。服にも通ずるんですけど。


―でも、こちらに展示されているうつわは、大量生産では味わえないですよね。

技術はこれだけ進化しているのに、手仕事のように温かみをもったものがいまだに作れないって、なんだかおもしろい話ですよね。なので、合理的な形で進化していくものもありながら、ここに置いてある器のように人の手でしかつくれないもの。このふたつが共存できる、行き過ぎない未来がこれからも続いていったらなと思います。

―着られている〈エーグル〉のジャケットは完全防水で、ダウンのライニングも装着できたりと、ハイスペックのものですね。

この機能性をひっさげて、寒い冬を迎えるのがいまから楽しみなんです。冬でも海に行くことがあるし、登山もするので、本領を早く体感したい。あと、本来ならきれいに着たほうがいいんでしょうけど、ぼくはどの服もジャージのような付き合い方をしてしまう。気に入ったら、いつでもどこでも着てしまうんです。だから、この格好で厨房仕事もするので、汚れがあまり気にならないカラーリングも気に入ってます。

―〈エーグル〉にはどんなイメージをお持ちでしたか?

ぼくの親が昔から大好きで、よく着ていたんですよ。ぼくも地元の滋賀県でよく山に登ってたんですけど、登山をする人でエーグルを身につけている人は多かった。だから当時の自分にとっては憧れの存在でした。やっぱりスタイリッシュじゃないですか。フランスらしいデザインですしね。

―「今古今」と一緒で、坂間さんの着こなしもオーガニックさとモダンさ、両方感じますね。

オーガニックなものも好きではあるんですけども、そこにこだわっているわけではないんです。自分が息苦しくない生活をしようと、ひとつずつの物事を取捨選択するうちに、なんとなくそういう傾向が強くなっていっただけで。大磯っていう立地によるところもあるかもしれませんが。だから、もちろんクルマも運転しますし、使い捨てのものを使うこともあります。ただ、そのなかでもなるべくゴミを出さないようにするとか、そういうことが大切なのかなと思っています。あまり無理をすると、しんどくなっちゃうし、続かないことには意味がないので。
Risa Nishimura
Haruki Matsui