1853年創業のライフスタイルブランド、AIGLE発祥の地であるフランス。
このコレクションのドローイングを描いてくれた、フランス人アーティスト
イザベル・ボワノさんのライフスタイルに彩りを添える
パリのお気に入りスポットを彼女と一緒に歩きながら、
「サステナブル先進国」フランスの暮らしを垣間見る。
フランスは農業大国。首都、パリにはフランス各地から、旬の美味しいものが集まってくる。街のあちこちで見つけることができるマルシェでは、南仏の野菜、ブルターニュ地方の魚介類、オーベルニュ地方の酪農品……。四季折々のゆたかな自然の恵みと、クリエイティブなパリジャンたちの感性が相まって「食」に関する新しいものが生まれ続けている。
現在、フランス南西部のアングレームに住むイザベルさんも、パリの「食」の魅力は捨てがたく、月に一度は来ているのだとか。
「パリの多様性と文化は活気があって刺激的だし、食に関しても、高級品からオーガニック食材まで、なんでもあって選べる。日本食レストランがたくさんあって、気軽に食べられるのも魅力ですね」と、日本が大好きなイザベルさんは言う。
そんなイザベルさんが最近お気に入りなのが、パリ11区にある「Désirée(デジレ)」。カフェとフローリストを併設したこのショップは、小さいながらも、現在のパリを象徴するようなスポットだ。カフェで提供されるメニューはすべてオーガニック食材を使用。さらに、フローリストでは、地元産のオーガニックフラワーアレンジメントが手に入るとあって、サステナブル思考のパリジャンたちに人気だ。スローフードはスタンダードなフランスでも、スローフラワーを実践する店は少なく、環境問題を意識するパリジャンたちに支持されている。
そして、もうひとつイザベルさんが好きなのが、パリの中で見つける「自然」。「バラがきれいなマレ地区のシークレットガーデンや、公園の並木道など、癒される場所がたくさんあります。私の住むアングレームには、野生的な自然が多いのですが、パリの自然は人の手で整備された美しさがあり、食と同様、多彩です。それぞれ違う魅力があり、両方好きなんです」
元々、憩いの場として森や公園が多く存在するパリでは、近年、さらに行政主導の「緑化政策」が進んでいる。屋上農園や壁の緑化を皮切りに、シャンゼリゼ通りやエッフェル塔周辺も、歩道を拡張し、緑に囲まれた通りにするという計画がある。
「サステナブル先進国」のフランスでは、人々の環境への意識も高い。イザベルさんも、環境に配慮したライフスタイルを実践するひとりだ。
「今あるものを大切に使い、過剰に消費をしないこと。なるべく中古品を買うこと。プラスティックは避け、ゴミを出さないようにすること。土壌や環境を破壊しないために、地元産の有機野菜を選んだり、肉をあまり食べないようにするなど食事にも気を遣っています」。聞いてみると、少し意識を変えることでできる簡単なことばかりだ。
イザベルさんのような、サステナブルな消費を求める人のためのニーズに応えるべく、AIGLEではエコフレンドリーな商品開発を進めている。例えば今回のチャリティTシャツもそのひとつで、品質とトレーサビリティの観点からセレクトしたトルコ産のオーガニックコットンを使用した、メイドインジャパンの製品だ。その他、環境に配慮したリサイクル素材の商品も増えてきている。
企業と消費者、双方の小さな一歩が世界中に広まれば、今後、環境に優しい選択肢は、ますます広がりを見せていくはずだ。
「創る、出会う、働く。パリには世界中から多くの人がインスピレーションを求めてやってきます。集団のダイナミックなエネルギーを感じることができるんですね。このエネルギーを私は愛しています」とイザベルさん。
パリは、歴史を守りながら新しいカルチャーも柔軟に受け入れ、進化を続けてきた街。その進化は「グリーンな都市」を目指す方向へと舵を切っている。例えば、農園をシェアしながら花や野菜を育てられる共同農園も、現在では市内に50施設以上。都市生活をしながら、土と緑にふれあう機会が増え、イザベルさんのように、自然を求めて大都市から地方へ移住する人も増加している。
「将来的には、もっと田舎に住んで畑を耕しながら暮らしたいと思っています。でも、カルチャーも捨てがたいから、都市と田舎を行き来して暮らすのが夢なんです」
AIGLEは、農業にルーツを持つブランドとして、土とふれあう都市生活を送る人たちに寄りそい、街でもアウトドアでも活躍するプロダクトや、自然を身近に感じられるイベントを展開。無理なく「環境に配慮した商品を選ぶ」ためのアクションを積極的に行なっている。
都市生活をする人々のエネルギーが、持続可能な方向に変わりつつある昨今。明るい未来は確実に近づいているのかもしれない。
※このTシャツの売上の8%は、一般社団法人 more treesへ寄付されます。
アングレームの美術大学を卒業後、イラスト、出版を中心に活動を開始。デッサンやコラージュ、写真。映像、刺繍など、多岐にわたる表現で、フランスはもとより日本をはじめとする海外でも作品を発表している。