山フーズ 主宰 小桧山聡子さん

1980年、東京生まれ。多摩美術大学油画科卒業。2011年から「山フーズ」の活動を開始。東京都美術館、DNPルーブル美術館、山形ビエンナーレほか、イベント等のレセプションでケータリングや撮影コーディネート、ワークショップなど多岐に渡り活躍。“食べる”を身体で体感できるような仕掛けのある提案を行っている。


ジャケット:W MTDチェスター
シャツ:リネンコットンチェックシャツ
バッグ:ミス ジュリエット トート M

 


―2018年の9月までは、毎年山形の山に食材探しに行っていたと伺いました。もともとアウトドアはお好きだったのですか?

いえ、そのときは2年間、毎月のように山に入ったりしていましたが、それまでは山登りなんてしたことがなかった。だから、徐々に必要なものを揃えていきました。 山形では、山に登って、そのまま打ち合わせに行くことも多かったんです。だから、どんな格好をしたらいいか、いつも悩んでいました。普段着だと汚れるし、アウトドアのものだと移動や打ち合わせのときに不自然だし。そんなとき、今日選んだリネン混のシャツやシボ加工されたバッグみたいに、デザインも機能も兼ね備えているものが役立ちますよね。


―山形に食材を採りに、という話もそうですが、小桧山さんの仕事って、すごく多岐に渡りますよね?

以前はケータリングが主な仕事でしたが、いまはイベントやパーティでの空間演出やワークショップ、インスタレーションを含めた商品づくり、販売などを主な活動としています。




―ワークショップではどのようなことをされるんですか?

食べられる器とカトラリーで食事をするワークショップを子ども向けに開催したり、ピアニストとコラボレーションして、音と食についてのワークショップを行ったり。
後者については、演奏をしている最中のピアニストに食べ物を食べてもらい、味によって音がどのように変化していくか、というものもあったりします。
お皿やフォークの存在を改めて考えたり、音を聞いたり、食べるという行為を分解してみたり。普段排除してしまっている感覚を、ツンツンと揺さぶるのが大好きなんです。同じものを食べても、状況、気温、体調、感情、あらゆることが影響して、味って全然変わってきます。そういうことに、すごく興味がありまして。

―同じように“纏うこと”についても、普段から意識されますか?

以前舞踏をやっていたとき、全身を白塗りにした経験があります。不思議なもので、塗ると恥ずかしさがなくなったり、苦手なはずの高いところも怖くなくなったり。ひとつ膜を張るだけで、こんなにも違うんだって驚きました。服も一緒で、仕事着の白衣を着ると、どんなにやる気が出ない日でも頑張れちゃうんですよね。
waltz 店主 角田太郎さん
Little Nap COFFEE ROASTERS オーナー 濱田大介さん