髙田茉莉亜のAIGLE LIFE vol.11

丸4年いたドイツを離れ、愛馬ブリタニアとともに日本へ本帰国し、はや3ヶ月。
学生のころからお世話になっている古巣 アイリッシュアラン乗馬学校での仕事はやりがいがあって、とても楽しいです!
ブリタニアも新しい環境に慣れてきて、トレーニングも今のところ順調です。
今回は、知っているようで知らない?厩舎や馬のお話をしたいと思います。

馬の厩舎は時代の最先端⁉

私の朝は、馬たちが暮らす厩舎の掃除からスタートします。ボロ(馬糞)などを専用のフォークを使って綺麗にとり、寝床となる敷料をふかふかに敷きます。

一般的な厩舎の敷料は藁(わら)か、オガ(木くず)の大きく2つに分かれ、ヨーロッパでは藁、日本ではオガが比較的安価で手に入りやすく、それぞれの敷料に利点があるので、馬によって敷料を変えることもあります。

私の勤める厩舎ではオガを使っていますが、そのオガは馬の敷料専用のものではなく、木材店で木を切る際に出た木くずを余すことなく再利用させてもらっています。

 でも再利用できるのはオガだけではなく、ボロもなんです!厩舎からとったボロは農家さんのもとへ運び、堆肥として再利用してもらっています。 

Text image
Text image

これは余談ですが、いつもお世話になっている木材店の従業員さんが農業をしていて、最近ここでとれたボロを堆肥として使ってくれるようになりました。今後、収穫できたお野菜を私たちが食べることができたら…と夢見ています(笑)。

 日本ではいまSDGs(持続可能な開発目標)が注目されていますが、さまざまな資源を無駄にすることなく使っている馬の厩舎は時代の最先端だったのかもしれません。

馬も1日3食?間食していいの?

野生の馬は1日に約11時間草を食べると言われていますが、一般的に厩舎で飼育している馬には朝・昼・夕の1日3食、「乾草」と呼ばれる干し草と、「濃厚飼料」と呼ばれる、ペレットや麦、加工飼料(競技馬のために栄養バランスを考えた飼料)を馬の大きさや、運動量に合わせて与えます。

 多くの厩舎がこの3食にプラスして、夜にもエサを与え、夕方と翌朝で馬がエサを食べる時間の間隔があまり離れすぎないようにしています。

 馬は意外にも胃が小さいので、細かく間隔を空けてエサを与えることで消化不良を防止し、栄養の吸収率もアップすると言われています。

 馬=ニンジンというイメージがありますが、ニンジンやリンゴ、バナナはあくまでもおやつ。いわゆる間食なので、馬の健康のためにもほどほどに与えることがオススメです♫

オフシーズンのトレーニング
~春先のシーズンインに向けて~

ヨーロッパでは、夏は屋外の競技場、冬は屋内の競技場で1年中、各地で馬術の大会が開催されています。ご存知の方も多いかとは思いますが、日本は屋内競技場の数が少ないので、秋の終わり頃に競技シーズンが終わり、春先からまたシーズンがスタートすることが多いです。

 オフシーズンは、シーズン中頑張った馬をしっかり休ませてから、トレーニングを再開します。すでに競技馬として完成している馬は筋力を落とさないような軽めの運動で実は十分。常歩、速歩、駈歩の移行運動を多く取り入れたトレーニングをし、馬へのリマインドとして技を取り入れたトレーニングもたまに行うと◎。しかし、まだ調教余地や改善余地がある馬にとっては、このオフシーズンが勝負。とは言え、毎日ハードなトレーニングをするわけではなく、焦らず、無理のないように調教することが大切です。

Text image
Text image

今回着用アイテム

綺麗なAラインのシルエットと大きめな襟がエレガントなトレンチコート。
トレンチには少し珍しいフードが付いているのがとてもモダンで、フォーマルにもカジュアルにも着れちゃいそうです!