DAVID ZILBER : CHEF
COPENHAGEN,DENMARK

コペンハーゲンを拠点に活動するカナダ人シェフ、デイヴィッド・ジルバー。 料理科学家、写真家、作家(ベストセラー『The Noma Guide to Fermentation』の共著者)でもある彼が情熱を注ぐのが、「発酵」という分野です。

キッチンから国へ、そして国から国へ。直感に耳を傾け、好奇心に導かれるままに。 世界に対する彼の関心は、AIGLEの物語と呼応します。

MEET -INTERVIEW-

幼少期はどのような環境で育ったのですか? クリエイティビティの源は?

母はカリブ海出身で、父はユダヤ人(アシュケナジム)です。わたしはカナダのトロントで育ち、フランス語圏の学校に通いましたが、学校以外では英語で会話し、親友は世界各国出身でした。みんな違うということが、自分にとって「普通」だったんです。

わたしのような幼少期を過ごすと、人生というパレットに絵を描くための色をたくさん揃えることができるのだと思います。このことは、写真、料理、執筆など、わたしの人生やクリエイティビティに明らかに影響を及ぼしています。

そのような自由な教育が、あなたをキッチンへと導いたのですね。

10代の頃は学校の成績がとても悪く、なにもかもうまくいきませんでした。そんな中、料理にはまったのは18歳のときでした。実践的で、手に感触を感じながら行えるということが魅力的に感じたんです。勉強して試験を受けて教授に採点される、そんな学校のような場所からは遠く離れた世界でした。

コペンハーゲンのミシュラン星付きレストラン「Noma(ノーマ)」で働くことになったきっかけは?

学校は苦手でしたが、学ぶことはとても好きで、特に科学が好きでした。もともと好奇心が旺盛で、物事の仕組みを理解するのが好きなんです。食に興味があり、なんでも知りたいと思っていました。

そして最終的に、デンマークの研究所に行き着いたんです。菌類やバクテリアの組成を調べては、新しいレシピを考案していて、それが「Noma」につながりました。

発酵とはどのようなことなのでしょう。なぜそれほどまでに発酵に魅了されているのですか?

発酵の定義を簡単に言うと、「微生物を使ってある成分を別の成分に変化させること」です。この変化がどのように行われ、実際に何を意味するのかを理解すると、発酵が基本的に生物界に関わるものであることに気づくのです。それが発酵の魅力です。発酵は、自然を理解するための最良の入口のひとつなのです。

カナダの自然やデンマークの田園風景など、自然はどのようなインスピレーションを与えてくれますか?

トロントとコペンハーゲンでは緯度があまり変わらないので、同じ種類の木や花、植生、そしてある程度は野生動物も見ることができます。6年間Nomaで働きましたが、Nomaは自然と触れ合うことを推進しています。常に自然に囲まれて過ごすことは、わたし自身がキッチンで最も楽しんでいることかもしれません。

現代では、自然と触れ合わずに暮らし、通販で食材を注文することさえ簡単にできます。ただ、おいしい料理をつくりたいと思う気持ちがあるならば、少し踏み込んで、森の中に入ってみてください。大自然の中を歩き回り、農場を訪ね、食材が育つ場所を見てみてください。

食品業界もファッション業界も、環境問題に直面しています。わたしたちを取り巻く世界を守るために、どのようなイノベーションを起こせばいいと思いますか?

より持続可能な世界を築き、今ある世界を守るために、環境に影響の少ない代替案を見つける手助けをしています。

食事は必ずしも問題ではありませんが、環境に与える影響の大部分を占めています。しかし、何を食べるか、どのように調理するかによって、その「影響」はまったく異なるものになるのです。

わたしが挑戦しているのは、できるだけおいしくて栄養価が高く、加工が最小限で、地球上のどこで栽培されてもできるだけ環境に影響を与えないよりよい方法を見つけるということです。

あなたにとって、AIGLEとは?

AIGLEは、伝統、アウトドアへの愛、自然の中に身を置くこと、外に出ることのさまざまなあり方を象徴していると思います。AIGLEのアイテムは、暖かくドライな着心地を保ちながら長く愛用することができます。膝まで泥にまみれて野菜を掘るときでも、快適で安全だと感じられるのです。

50年前におじいさんが着ていた服を、あるいは50年後の子どもたちが着られる服を。長く愛用できる服を、AIGLEはつくり続けていると思います。

AIGLEを表現した料理をつくるとしたら?

新鮮な野菜と育てた植物で、大きなサラダをつくります。グリルした野菜や生のままの野菜を混ぜて、摘みたての新鮮なベリーやプラムでつくるシンプルで美しいドレッシングを用意して……。アウトドアを表すような料理になると思います。

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