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ここ数年、フランスではオーガニック志向の人が増えている。
食材から化粧品までオーガニック製品が気軽に手に入るようになり、
人びとの日常に当たり前のものとして浸透しつつある。
フルール・ゴダールさんは、フランスでも市民権を得つつある自然派ワインの
ディストリビューターとして注目を集める存在。
生産者と消費者をつなぎ、フランス大地が育てるワインの魅力を、人びとに伝えている。
フランスでは、小さな子どもがいてもしっかりフルタイムで働く女性が多く、共働きが当たり前という風潮がある。5カ月の赤ちゃんがいるフルールさんも例外ではなく、しばしの産休期間を経て、現在はパリ郊外にある自宅をメインに仕事をしている。自らワインの試飲会をオーガナイズしたり、アートブックを制作したり、パワフルに外にも出て活動する業界でも注目の人だ。「生後3週間の赤ちゃんを連れて、地方のワインイベントに参加したこともあるんです。好きな仕事を全力でやることを応援してくれるフランスの社会はありがたい。だから、仕事と子育てが両立できるんだと思います」
フルールさんは、自然派ワインだけを取り扱うフリーランスのディストリビューター。そのなかでもさらにまだ知られていない若い生産者に注目し、いち早く紹介する目利きである。また、フランスだけでなく、ドイツやチェコ、スペイン、イタリアなど広くヨーロッパ全体に目を向けている業界の先駆者だ。「生産者を訪ねて地方や海外の畑に行くことも多いので、3シーズン着られるこの多機能な軽量アウターは便利です。クラシックなワークコートながら、シルエットには計算されたスタイリッシュさがあって、身につけていて気持ちがいいんです。それから、履き心地のよさはもちろん、軽くて持ち運びやすいスニーカーも、旅行や仕事で遠方に行くときには必ず持っていきますね」
フルールさんの実家はフランス南西部で農場を経営していて、お父さんは鶏を放し飼いで育てているのだそう。彼女は自然派ワインとともに、新鮮で美味しい実家の鶏、その卵や地元の野菜を、厳選したパリ市内のレストランに卸している。「小さい頃から、当たり前のように自然とともに生きてきました。当然ながら、自分や子どもたちが食べる野菜も無農薬のものこだわっています。シンプルで簡単なサラダでも、力強さが違います」。フルールさんのライフスタイルは「自然と調和して生きる」というエーグルの理念ともリンクしている。
彼女が住んでいるのは、パリ市内にほど近い郊外。クリニャンクールの蚤の市で知られるサン=トゥアンという街だ。「市内に比べるとのどかで、子育てしやすいです。機能性とスタイルの美しさを兼ね備えたエーグルの服やスニーカーは、私のようなファッション好きなママたちにも支持されていますね。特に防水性・防風性のあるアウターはフランスの暮らしにとても便利。ポケットやちょっとしたディテールにも工夫が凝らしてあって、滑らかな肌触りが心地よいので、子どもを抱っこしていても全然苦しさを感じません。街でも田舎でも活躍するから、実家に帰る時にも欠かせない存在。それに秋らしくも軽やかなグレンチェック柄のシックな佇まいも気に入っています。」
ワインの仕事を始める前は、ファッションモデルをしていたというフルールさん。「華やかな世界は好きだったけど、性に合わなくてすぐに辞めてしまいました。もともと田舎育ちで、自然が好きだし、アウトドアやスポーツが好きだし。そんな性格だから土壌の味をダイレクトに感じられる自然派ワインに惹かれたのだと思います。添加物を加えない自然派ワインはすぐに劣化してしまったり、不安定で手間がかかることも多いのだけれど、その分、びっくりするほど美味しいものに出会えることもある。“自然のあるがまま”を感じられるものが好きなんです。それはファッションに対しても言えることで、私は自分を不自然に美しく見せることよりも、エーグルのように自然に敬意を払い、あるがままの自分を受け入れてくれるようなブランドが好きですね。ワインも食べ物も、着るものも、人としても自然であることを大切にしていきたいと思います」