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フランスの人たちは古いものを大切にする。
衣食住の「住」においてはとくに、壊れた家具をブリコラージュといって繕ったり、
古いアパートをリノベーションして住むなど、古いものを受け継いでいる。
世界中から注目される建築プロダクション「cigue」を率いるヒューゴ・ハスさんもそんなひとり。
現在、パリ郊外の古い倉庫をマイホームにリノベーションすべく、
プロならではのユニークな計画を進めている。
「cigue」は、住宅、ファッション、アートなど幅広い分野での建築、内装を手がけている注目の建築プロダクション。フランスを中心に世界13カ国以上で200を超えるプロジェクトを行ってきた。創始者のひとりであり、その中心人物として担ってきたヒューゴ・ハスさん。彼は毎日、19区にあるビュットショーモン公園近くの自宅から、郊外の注目エリア、モントルイユにある事務所まで自転車で通っている。「自転車やバイクが大好きなんです。現場でも日々アクティブに動き回る自分にとって、エーグルのタフなアイテムは強い味方になってくれます」
建築家として活躍する傍ら、プライベートでは、料理家の妻と1歳の娘、そして猫2匹と暮らしている。実はヒューゴさん、最近パリ郊外に元倉庫の建物を購入し、リノベーションして住もうと計画している。毎日仕事でせわしなく過ごしているなかで、時間をみつけては設計図を少しずつ更新し、着々と準備を進めているのだ。「今は大きな規模のプロジェクトを多く引き受けていますが、昔は個人宅から受ける仕事も多かったんです。小さな家の建築とか、アパートのリノベーション、あとは家具を作ったりもしていました。今回、自分と家族が住む家をゼロから造ることにしたのは、とても幸せ。まだ、電気も水道も通っていないので、時間をかけてゆっくり造っていきたいと思いるんです」
新しい家となるその建物は、何もない無機質なコンクリートの空間が広がっている。プロとして光の入り方や配管をチェックする姿からは真剣ながらも楽しんでいる様子が伝わってくる。料理家の妻のための大きなキッチン、子供部屋、友人が集まって食卓を囲めるダイニングやテラス……。家族との未来を思い描く彼の表情はとても幸せそうだ。「仕事もそうなんですが、プロジェクトを進めるには想像力とコミュニケーションが不可欠。だから、家族とも話し合いながら、理想の家を造りたいですね。キャンピングカーを買ったので、家族とここでキャンプ生活をしながら、家を建てるのもいい思い出になるかもしれないと思っています」
ファッションブランドの店舗なども多数手がけているヒューゴさん。自身のファッションにもこだわりがある。普段から洋服、靴や小物なども基本的に黒色のものを身に着けるようにしているという。理由を尋ねると「なぜ、と言われると難しいんですが、9歳の頃から母親に黒かグリーンの洋服を着たいとお願いするようになりました。黒はミニマルで、ゼロの存在。そういう色を身にまとっていることが心地よく、自分らしいスタイルだと感じています。エーグルのアイテムはタフでミニマルなデザインのものが多いから、自分のスタイルにしっくりくるんです。このダウンジャケットは機能性も実用性もあり、厳しいフランスの冬も快適に過ごせます」
フランスはもちろん、世界で活躍する建築プロダクション「cigue」の核として活躍を続けているヒューゴさん。2003年に設立された小さな会社は、今では30人を抱えるまでに成長した。「何もないスペースから、家具や配管、電気の配線なども考えて設計するんです」。テーラーメイドのような丁寧な仕事と機能美、シンプルでモダンなデザインが世界から支持され、日本でもイソップやイザベルマランなど、ショップの内装を多数手がけている。「フランスで育ってきた僕にとって、エーグルは永遠のクラシック。キャンプが趣味なので、とくにアウトドアウエアに関しては強く信頼しています。また、普段、自転車やバイクで出かける機会が多いのでデイリーにも、もちろん建築の現場でも活躍してくれますね。エーグルのアイテムは丈夫で長持ちするし、着込んでいくうちに進化するというか、だんだんと自分のものになっていくようなそんな存在です」。シンプルで機能的、時間が経つほど愛着が増すエーグルは、気鋭のクリエイターにも支持されている。